多くの人が日常的に利用する動画プラットフォーム「YouTube」。動画再生前の広告に、もどかしさを感じた経験を持つ人も少なくないだろう。そんな中、YouTubeは9月26日、より手頃な価格で広告表示を減らせる新しいサブスクリプションプラン「YouTube Premium Lite」の試験提供を日本で開始したと発表した。
新プランの価格は月額780円(税込み)。既存の「YouTube Premium」(月額1280円)よりも500円安く設定されており、「動画再生中の広告さえなければ良い」というユーザーにとって魅力的な選択肢となりそうだ。スマートフォンやPC、テレビなどさまざまなデバイスで利用できる。
では、具体的に何ができて、何ができないのだろうか。
Premium Liteの最大のメリットは、ゲーム実況や料理、学習コンテンツなど、さまざまなジャンルの動画を広告なしで楽しめる点にある。ただし、広告が“完全に”なくなるわけではない点には注意が必要だ。公式発表によると、音楽コンテンツやショート動画、また検索結果やフィードを閲覧する際には広告が表示されることがあるという。
一方、Premiumプランの大きな特徴である「オフライン再生」や、他のアプリを操作しながら動画の音声を再生できる「バックグラウンド再生」機能は、Liteプランでは利用できない。また、音楽配信サービス「YouTube Music Premium」も対象外となる。
つまり、「オフライン再生やバックグラウンド再生は不要だが、動画本編を中断される広告は減らしたい」というニーズに的を絞ったプランだといえるだろう。
YouTubeは、YouTube MusicとYouTube Premiumの登録者数が全世界で1億2500万人を突破したことを明かしており、今回の新プランは、多様化するユーザーの好みに合わせて選択肢を増やす狙いがある。また、新たなサブスクリプションモデルは、クリエイターにとっても新たな収益機会につながると説明している。
この試験提供は本日より順次開始され、今後数週間以内に利用可能になる見込みだ。YouTubeは今後、さらに多くの国でPremium Liteの試験提供を進め、年内にはユーザーが定額制サービスを最大限に活用できる新しい方法を発表する予定だとしている。