
スマートホームセキュリティの分野で、カメラの高画質化とAIによるインテリジェント化はますます重要になっている。そんな中、Amazon傘下のRingが、同社初となる4K解像度に対応した新しいセキュリティカメラとビデオドアベルのラインナップを10月1日に発表した。
新技術「Retinal Vision」を搭載し、「人間の目で見るのに近い」という鮮明な映像を実現したほか、生成AIを活用して映像の内容を文章で要約する新機能も投入する。
目玉は4K対応の「Retinal 4K Vision」
今回発表された新ラインナップの核となるのが、次世代の映像技術「Retinal Vision」だ。これは単に解像度を上げるだけでなく、AIによるチューニングで撮像プロセス全体を最適化し、より現実に近い鮮明な映像を実現するというもの。
特に最上位モデルに搭載される「Retinal 4K Vision」は、同社初となる4K解像度での撮影を可能にする。対応するのは以下の4製品だ。
Wired Video Doorbell Pro (第3世代)Spotlight Camera Pro (第2世代)Floodlight Camera Pro (第2世代)Outdoor Camera Pro
これらのモデルは4Kの高解像度に加え、最大10倍のズーム機能や、暗い場所でもカラーで撮影できる「Low-Light Sight」、完全な暗闇でも鮮明な映像を映し出す「Adaptive Night Vision」といった機能を備える。これにより、遠くの被写体の細部や、夜間の状況もこれまで以上に鮮明に捉えることが可能になったとしている。
同時に、より手頃なモデルとして「Retinal 2K Vision」を搭載したIndoor Camera PlusとWired Video Doorbell Plus (第2世代)も発表された。2K解像度ながら、ピクセル密度を高めることで、従来製品よりも鮮明でリアルな映像を提供するという。
生成AIが映像を要約する「Smart Video Descriptions」
今回の発表で特に注目されるのが、生成AIを活用した新機能「Smart Video Descriptions」だ。これは、カメラが検知した動きの内容をAIが分析し、具体的な状況を文章で説明してスマートフォンに通知してくれる機能。
例えば、「黒い犬を連れた人が階段を上っている」「2人の人物が私道の白い車を覗き込んでいる」といったテキストが通知に表示されるため、ユーザーは映像をすぐに確認しなくても、何が起きているかを素早く把握できる。
この機能はまずオーストラリアとニュージーランドで提供が開始され、利用するにはサブスクリプションプラン「Ring Home Premium」への加入が必要となる。