先日発表されたApple史上最も薄いスマートフォン「iPhone Air」が、そのスリムな筐体とは裏腹に、修理しやすい設計になっていることが明らかになった。ガジェットの分解・修理で知られるiFixitが詳細な分解レポートを公開し、その内部構造と修理しやすさを10段階評価で「7」という高得点を付けた。
一般的に、デバイスが薄くなればなるほど、部品は高密度に実装され、接着剤が多用されるため修理は困難になる傾向があった。しかし、iFixitによるとiPhone Airは、この常識を覆す巧みな内部設計を採用しているという。

その最大の秘訣は、基盤であるロジックボードをバッテリーの上部に移動させたことだ。これにより、内部の部品を垂直に積み重ねる必要がなくなり、各コンポーネントがフラットに配置された。その結果、最も交換頻度の高いバッテリーやスクリーンへのアクセスが格段に容易になった。

特にバッテリー交換のしやすさは高く評価されている。iPhone Airは背面ガラス側から簡単にバッテリーにアクセスできる構造を持つ。さらに、電圧をかけると接着力が弱まる特殊な接着剤が使われており、これまでのように無理にこじ開ける危険な作業なしに、安全かつ迅速にバッテリーを取り外すことが可能だという。

また、故障しやすいUSB-Cポートもモジュール式になっており、交換が可能な設計となっている点も評価されている。
iFixitは、Appleが「薄型化」と「修理のしやすさ」という、これまで両立が難しいとされてきた課題を巧みなエンジニアリングで解決したと結論付けている。