イーロン・マスク氏は、対話型AI「Grok」を活用した新たな知識ベース「Grokipedia」の早期ベータ版(バージョン0.1)を、2週間以内に公開する考えを明らかにした。
この発表は、Grokipediaの構想を説明したX上の投稿に対し、マスク氏自らが引用する形で行われたものだ。
Grokipediaは、「人間とAIのための、世界で最も大きく、最も正確な知識源」になることを目指すプロジェクトとされている。その最大の特徴は、既存の情報ソースをAIがファクトチェックし、再構築するというアプローチにある。
構想によれば、まずAI「Grok」がWikipediaなどの膨大な情報を読み込み、内容が「真実か、部分的に真実か、誤りか、あるいは重要な文脈が欠けているか」を判断する。その上で、虚偽の情報を削除し、不正確な記述を修正。そして、欠落している重要な文脈を補うことで、より信頼性の高い知識ベースを構築するという。
このプロジェクトは、既存の知識プラットフォームが特定のバイアスや隠された意図の影響を受けることがあるという問題意識から生まれたようだ。Grokipediaは、こうした影響から自由で、純粋に「真実へたどり着く」ことだけを目的として設計されるとしている。
マスク氏が具体的な公開時期に言及したことで、この野心的なプロジェクトが現実味を帯びてきた。AIが生成する新たな知識プラットフォームが、既存のWikipediaなどとどのように差別化され、ユーザーに受け入れられていくのか、その動向に注目が集まる。