Googleは9月18日(現地時間)、Webブラウザ「Chrome」に同社の生成AI「Gemini」を深く統合した10の新機能を発表した。Webページの内容について質問したり、面倒なタスクを代行させたりと、ブラウジング体験を根本から変える「史上最大のアップグレード」と位置づけている。
今回のアップデートの目玉は、Chromeに直接統合された「Gemini in Chrome」だ。ブラウザのサイドパネルからGeminiを呼び出し、表示しているWebページの内容を要約させたり、複雑な情報について質問したりできる。さらに、複数のタブを開いている場合でも、それらの情報を横断して比較・整理することが可能。例えば、旅行サイトやホテルの予約サイト、観光情報サイトを複数開いた状態で、Geminiに旅行プランの作成を依頼するといった使い方ができるという。
将来的には、ユーザーの指示を受けてWeb上の操作を代行する「エージェント機能」の導入も予定している。美容院の予約や食料品の注文といった、これまで手作業で行っていたタスクをGeminiに任せられるようになる見込みだ。

このほか、アドレスバー(オムニボックス)から直接AIモードで検索したり、「先週見たあのサイトは?」といった自然な言葉で閲覧履歴を探したりする機能も追加される。

セキュリティ面もAIで強化される。軽量AIモデル「Gemini Nano」を活用してフィッシング詐欺などの検出精度を向上させるほか、パスワードが漏洩した際には、対応サイトでワンクリックでパスワードを変更できる機能も提供する。
これらの機能は、まず米国のMacおよびWindows向けデスクトップ版Chrome(英語設定)から順次提供が開始され、今後モバイル版や他の国・言語にも展開される予定だ。今回のアップデートにより、Chromeは単なる情報閲覧ツールから、より能動的にユーザーを支援するAIアシスタントへと進化を遂げることになりそうだ。